世界中でそうであるように、ベトナムにおいてもスタートアップの失敗率は⾼いが、成功し経済発展に重要な貢献をするスタートアップも当然ながら存在している。Facebook、Google、Amazonなどのテック企業は、知らない⼈がいない世界最⼤の元スタートアップ企業である。同様に、アジアを代表するテック企業としてTencent、Gojek、Grabがあるが、それを追うようにベトナムのVNG、VnPay、MoMoなども急成⻑を遂げている。
ベトナムでは、2016年に政府が当年を「国家スタートアップ年」と宣⾔してから急速に、スタートアップ、特にテクノロジーベースのスタートアップの概念が広がり始めたところであり、海外の主要国に⽐べるとまだまだ若い市場である。⼀⽅で、市場が極めて⼒強くかつ急速に成⻑しているという事実もある。ベトナムの⼤⼿国際オンラインメディアVNExpressによると、2021年におけるベトナムのスタートアップ総数は約3,800社であり、VNG、VnPay、SkyMavis、MoMoと4社のユニコーン(企業価値10億ドル超の企業)がある。2018年に4億4800万ドルだったスタートアップへの投資総額が、2019年には8億6100万ドルと倍増した。さらに、パンデミック後には14億ドルと過去最⾼額を記録した。
スタートアップ⽀援に関する政府の⼒強い姿勢を追い⾵に、ベトナムのスタートアップエコシステムはより強固になり、近い将来に国際的なスタートアップハブとして台頭すると予想されている。Startup Linkが発⾏した2022年のレポートによると、ベトナムはWorldwide Startup Ecosystem 2022で54位、東南アジア地域ではシンガポール(世界7位)、インドネシア(38位)、マレーシア(42位)、タイ(53位)に次いで5位であった。また、ベトナムがこのまま成⻑を続けることができれば、来年にはタイを超える⼗分なポテンシャルを秘めていると述べている。
本レポートでは、現在のベトナムのスタートアップエコシステムについて、影響を与えるファクターや注⽬すべきデータを取り上げるとともに、規模や評価額の異なる著名なスタートアップ4社を紹介する。
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