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アフリカ進出|国別の経済と産業

アフリカ
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アフリカには広大な市場とそこに成長潜在力が秘められていることから、新たなビジネスチャンスが大きく期待されています。しかし、アフリカと一言で言っても、各国ごとの地理的、経済的、文化的背景によってビジネス環境がそれぞれ異なります。そのためアフリカ進出で成功を目指すには、国別に理解を深めることが欠かせないポイントとなってくるのです。この記事では、アフリカ各国の経済と産業について解説していきます。

アフリカが注目されている理由

アフリカが注目を集める理由はいくつかあります。まず、人口増加と急激な都市化が挙げられます。アフリカは世界で最も急速に人口が増加している地域で、2050年には約25億人に達し、世界人口の4分の1を占めると予測されています。それを形成する若い労働力は都市化を押し進め、そこで拡大する消費市場においてビジネスの可能性が広がることを意味します。

天然資源が豊富なことでも知られており、石油やガス、鉱物などに世界的な注目が寄せられています。さらに、各国政府はビジネス環境の改善に努めており、インフラ整備や規制の緩和などを推進しています。これらの要素によって、アフリカが新たなビジネスのフロンティアとして期待されているのです。

アフリカ主要国の経済と産業

アフリカの国々は、それぞれ異なる経済的な特長と産業構造を持っています。以下、主要な国々の経済と産業の概要を紹介します。

ナイジェリア

ナイジェリアは、アフリカ最大の人口を持つ国であると同時に、最大の経済大国でもあります。豊富な原油と天然ガスが主要産業として外貨獲得の手段となっています。農業資源にも恵まれており、経済を牽引する産業の1つです。近年ではICT分野にも注力しており、国民IDの整備や農業ICTを推進しています。(参考:ジェトロ

また、若年層の厚さ、政府の支援政策などから、金融をはじめとするスタートアップが盛んです。特に、商業都市ラゴスは、アフリカの中でも最大のスタートアップ拠点の1つとなっています。

南アフリカ

南アフリカは、南部アフリカ諸国の中で大きく発展した経済大国として、アフリカ経済を牽引しています。金、プラチナといった豊富な鉱物資源に加えて、石油化学や自動車をはじめとした製造業、金融業の躍進なども、経済の基盤となっています。道路や通信といったインフラも発達しており、高水準の法律や税制など、アフリカ内でとりわけビジネス環境が整った国といえます。

日系企業のアフリカにおける拠点数を見ると、南アフリカが最も多く、150社以上が進出しています。その顔ぶれは、機械・機器や医療機器、消費財から飲食まで業種もさまざまです。南アフリカには優良企業が多いため、買収や合併による進出も可能です。

エジプト

ナイジェリアに次ぐ経済大国エジプトは、石油・天然ガスの資源、観光や農業など多様な産業が経済を支えています。地中海と紅海を結ぶスエズ運河の通行料も、貴重な外貨収入源となっていますが、新イラン派の武力衝突により通航船舶数が激減し、経済にも影響を及ぼしています。

新行政首都(NAC)をはじめとする20のスマートシティー、工業団地、道路など、インフラ開発が政府主導で急速に進んでいます。近年は、再生可能エネルギーにも注力しており、今後の動きに注目が集まっています。

ケニア

ケニアは、東アフリカの経済中心地として知られており、コーヒーや紅茶、野菜などの農業や観光業が主要な産業となっています。また、国際港湾であるモンバサ港は、ケニア貿易の拠点であると同時に、東アフリカ、特に内陸国にとっての最大のハブとして重要な役割を担っています。(参考:ジャイカ

近年では、ICTを活用したスタートアップも盛んであり、農業やフィンテックの分野でICT化による同国の課題解決を目指しています。

エチオピア

アフリカ大陸で2番目に多い人口を抱えるエチオピアの主要産業は、コーヒーや穀物をはじめとした農業となります。1人当たりの国民総所得(GNI)の水準の低さを改善するため、政府は農業を核としつつも、工業化促進により2025年までに中所得国入りすることを目指しています。特に、繊維・縫製、皮革、農業加工産業などを優遇しており、海外企業の誘致や工業団地設立に積極的に取り組んでいます。

また、多くの中国企業が進出していることで、官民一体となった生産拠点の設置やインフラの整備を行うことで存在感を高めつつあります。

モロッコ

欧州とアフリカをつなぐ経済大国モロッコは、農業を基盤にしつつも工業化が大きく進められています。中でも、成長を示す自動車産業においては、スペイン・フランスなど欧州市場への輸出拠点としての役割を果たしています。また、近年は再生可能エネルギーへの積極的な取り組みも注目を集めています。

海外企業誘致に注力し、税制優遇措置などが充実しているため、多くの日本企業が進出しています。自由市場経済を採用していることもあることから、自由貿易協定(FTA)により欧州・中東市場へのアクセスも強化しています。

ガーナ

ガーナは、アフリカ有数の金、原油、カカオの産出国として知られ、経済の基盤は鉱業と農業となります。一方で、一次産品依存を脱するために海外企業誘致にも積極的に取り組んでいます。政府によるインフラ整備やビジネス環境の改善や政治的な安定もあいまり、ビジネス拠点としても注目を集めています。

近年は、デジタル化が急速に進み、ICTを活用して農業の生産性や付加価値を向上させることで経済成長、雇用創出を目指しています。

まとめ

アフリカは、豊富な天然資源、人口増加、急速な都市化によって新たなビジネスチャンスをもたらしています。主要国それぞれに独自の強みがあるので、成長の機会も多岐にわたると言えます。各国の特性を理解し、適切な戦略を立てることが、進出成功への鍵を握ることになるでしょう。

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