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インド進出|ビジネスにおける地域別特徴を詳しく解説!

海外進出
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広大な市場と成長潜在力のあるインドは、多くの業界によって新たな可能性が見出されており、大きなビジネスチャンスを秘めています。しかし、その広大な国土から生まれる、地理的、経済的、文化的背景によってビジネス環境は異なり、単にインド進出と言っても、成功を目指すためには、各地域の市場特性を理解することが不可欠です。

本記事では、ビジネスにおけるインドの地域別の魅力をその独自性を挙げてご紹介します。

インドの地域

インドのビジネス環境は、地域によって大きく異なります。以下では、北部、西部、南部、東部の特徴やビジネス特性について解説します。

北部

首都のデリー、近郊都市のグルガオン、ノイダを抱える北部はインド首都圏地域(NCR:National Capital Region)に指定されており、経済圏としては最も繁栄しているエリアと言われています。インド最大の工業都市圏が形成されており、郊外では自動車や電機などの産業へ外資系有力企業が多数進出しています。インドに進出する日本企業のおよそ半数がこの地域に拠点を設け、2022年時点での日系企業進出数は1,200社以上。在住日本人の数も多く、インド全体で最も日本人が多いエリアです。

西部

中核都市ムンバイを含む西部は、製造業が集積するグジャラート州を中心に発展しているエリアです。特にムンバイは、人口2,000万人を超えるインド第二の都市であり、商業・金融の中心地という役割を担っています。さらに、映画産業も盛んで、ボリウッドの中心地としても知られています。グジャラート州では日系自動車産業が主に集積しており、それ以外の産業へも企業進出が増えています。

南部

交通の要所、そして「インドのデトロイト」とも呼ばれるチェンナイや、「インドのシリコンバレー」としてIT都市となっているベンガルールを中心に発展を続けるエリアです。農業従事者が多いこともこのエリアの特徴となっています。

また、インド独自の文化が繁栄しており、世界遺産のハーリバリプラムやビーチリゾートのゴアなど観光地があることでも知られています。

東部

港湾を擁する主要都市コルカタと鋼鉄都市で知られるジャムシェードプルが含むエリアです。ガンジス川流域の広大な平原やタージ・マハルなど、インド有数の観光地が点在しています。

政治的問題があることから、インフラや経済は発展途上で、製造業など高付加価値産業の発展も他の都市に比べ遅れていますが、近年では、海陸両面において東アジアと近接した地政学上の強みが注目されています。

主要地域

次は、インドの主要5大都市を取り上げ、それぞれが持つビジネス環境と独自の特徴をご紹介します。

デリー

デリーは首都として政治と経済を担い、州と同格扱いとなる連邦直轄領としてインド政府の統治下にあります。行政単位としてオールドデリー、ニューデリー、デリーカントメント(軍管区)の3区域に分かれていますが、首都機能が主に集中しているのはニューデリーとなります。多くの外国大使館が置かれていることからも、政府機関との連携が求められるビジネスにとって重要な都市と言えます。

通信事業から金融・保険・不動産業などのサービス業を始め、電子機器・自動車などの製造業も盛んで、多様で経験豊富な人材に恵まれています。日系企業数、駐在する日本人が最も多い地域であることから、ビジネス進出には最適な都市といえます。

ムンバイ

ムンバイはインドにおいてデリー都市圏に次ぐ人口を抱え、アジアを代表する都市のひとつです。古くから港町として栄え、インド準備銀行(RBI)の本店や証券取引所・証券取引委員会、各銀行の本店、各国の商工会議所が置かれ、国内外の大手金融機関が集積するアジア有数の金融拠点となっています。また、現在では日系企業も多数出店するアジアでも最大級のショッピングモールをいち早く開業したことで、ムンバイは商業の中心地でもあります。さらに、「ボリウッド」と呼ばれる映画産業はインド最大規模の映画産業を支えており、金融・商業・文化の中心地としての役割を果たしています。

グルグラム

ここ10年ほどで急速に都市開発が進んだグルグラムは、今では多くの外資系企業が進出する経済発展都市となっています。デリーの中心地から30kmの距離にあり、地下鉄でも車でも高速道路を利用してアクセスできるデリーの衛星都市(大都市の一部の機能を分担している都市)として機能しています。ITアウトソーシング産業が盛んなインドでは、欧米を中心に世界中のITアウトソーシングの約6割を担っています。中でもグルグラムは、ハブとしての機能を果たしており、この地域では50万人の新たな雇用が創出されています。

また、スズキをはじめとした日系企業の拠点が多いという点もこの都市の特徴です。自動車や電機の製造業が主だっていますが、物流や飲食など多岐にわたる分野への進出も見られます。

ベンガルール

IT産業が盛んなベンガルールは、インドのシリコンバレーと呼ばれています。GAFAM(ガーファム:Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)をはじめとする世界的なテック企業の多くは、この地域を拠点として最新技術の研究・開発を進めています。ベンガルールにはITエンジニアが200万人いると言われており、その数の多さで他の都市を圧倒しています。さらに、起業家も多く毎年有望なスタートアップ企業が輩出されています。

IT産業以外にも、トヨタ自動車や自動車部品メーカーの工場も集積しています。2011年に二輪車工場建設を決めたホンダが稼働を開始して以降、オートバイ関連部品メーカーの進出も増えています。

チェンナイ

チェンナイは、インド最大級の自動車産業の中心地であることから「インドのデトロイト」とも呼ばれています。外資系のフォード、現代自動車、日系のルノー日産、ヤマハなど大手自動車・二輪メーカーが集積し、地場産業のTVS、ロイヤル・エンフィールドなども工場を構えています。

さらに、古くから国際的な貿易港として栄えてきたチェンナイ港やエノール港といった良港があることで、隣接する東南アジアだけでなく日本や中国等からのゲートウェイとしての役割も担っています。そのため周辺国への輸出拠点としても期待が寄せられています。

準主要地域

次は、主要都市以外の、注目すべき準主要地域におけるそれぞれのビジネス環境と独自の特徴をご紹介します。

ハイデラバード

ハイデラバードは、2014年に創設されたインドで最も若いテランガナ州の州都です。都市として急速な発展を遂げ、Microsoft、Apple、Google、Amazonなどが開発拠点を設ける「IT産業の集積地」として知られています。また、ライフサイエンス関連企業が800社以上あり、インドの医薬品生産の約30%をこの州が貢献していることから、医薬品分野でも注目されています。

同州では、こうしたIT・製薬の企業集積を活かして起業を促進、技術主導型のエコシステムを構築することを目指しており、スタートアップ支援が充実しています。

コルカタ

コルカタは、バングラデシュ・ブータン・ネパールと国境を接する西ベンガル州の州都です。4大都市の1つですが、政治的な問題のため他の大都市と比べるとまだまだ昔の生活様式の影響が強く残り発展途中といえます。しかし、産業の歴史があるこの州は、広範囲にわたる道路網と有数の鉄道網密度を備えており、複数のインド産業複合企業の本社が置かれています。特に「ITC Limitedホールディングス」は、メイン事業となるタバコ産業において国内のタバコ販売量の80%を占めています。

また、西ベンガル州はインドで3番目に鉱物生産量が多く、新たな製造拠点としても注目されています。コルカタは鉄鋼の街として知られるジャムシェドプールにも近く、国際空港もあるため、重要なエリアとされています。

プネー

学術都市プネーは「東のオックスフォード」と呼ばれ、インド国内で最も多くの研究機関がある教育と研究の中心地です。工業やビジネスの本拠地でもあり、特に、IT産業が急速に成長し、外資系のIT企業やソフトウエア開発会社の本部が多く置かれています。市内に国際レベルの教育施設が立地することから、インド政府は、プネーをIT開発の中核都市と位置付けています。さらに、インドの自動車製造の一大集積地として、数々のインド地場企業及び外資企業が自動車・部品製造拠点を構えていています。

ニムラナ

ラジャスタン州のニムラナは、デリーから約3時間の距離にあります。日系企業の集中するデリー首都圏に近接するニムラナは、日本企業専用工業団地を設けています。なかでもインド最大級の工業団地であるニムラナ工業団地の入居率は約9割に及んでいます。デリー首都圏への近さのみならず、2017年の物品・サービス税(GST)の導入による州跨ぎ税(CST)排除で、州境の壁が取り除かれたことも入居増加の要因の一つです。

さらに、2015年4月より、ニムラナにほど近いギロット日本企業専用工業団地の分譲が開始されたことで、日系企業の一大集積地となりました。

アフマダーバード

アフマダーバードは、グジャラート州最大の都市です。州内の産業インフラや外資誘致に向けた制度の整備を推し進め、「グジャラートの奇跡」と呼ばれるほどの経済発展を遂げ、物流や電力などのインフラはインド国内でもトップレベルです。このインフラを基盤として、石油化学をはじめ自動車、金属加工、機械、セメント、バイオ等各種産業が発展し、世界各国からも企業が続々進出しています。

首都デリーと商都ムンバイの中間に位置するアフマダーバードは、進出地域としては戦略的に大変魅力的な立地条件を備えています。2006年には、日印共同で、デリー・ムンバイ間産業大動脈構想(DMIC)と銘打った、総合産業インフラ開発プロジェクトが開始されました。

まとめ

インドは、豊富な人口を背景に、IT産業の拡大、製造業振興などにより急速に経済成長が進み、スタートアップや中小企業に対する支援策の強化など、更なる経済全体の近代化を目指して変化し続けています。インドに進出する際には、各地域の文化的、経済的特性を理解し、地域ごとに異なるニーズに応じたアプローチを採用することで、大きな成果をもたらすことができるでしょう。

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