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M&Aコラムを公開しました

2020/09/07COLUMN #支援実績

対象企業

事業内容プレス加工業
金型は、設計から製作メンテナンスまで一気通貫体制
所在地近畿地方
売上高約20億円
従業員約100名
譲渡理由相乗効果ある企業傘下入りによる後継者問題の解消
  • 社長(60歳代・3代目)は、子息に事業承継の意思がない中、60歳代での新体制の構築を計画、メインBKに相談
  • 有力主要顧客の複数事業部に事業縮小の計画があり、取引先拡大もテーマ

買手企業

事業内容収容箱が主力製品
塗装技術を蓄積し、大手メーカーとも協業
所在地近畿地方
売上高約80億円
従業員約200名
買収理由協業先の供給期待に応える生産体制の拡充
  • 現社長(50歳代・3代目)が就任以降、現在の取引先とのパイプを強化
  • 関東・タイ進出と着実に事業拡大を続け、2年前には同業の株式取得実行、さらに上場企業から工場を取得するなど旺盛な事業意欲あり

本件の経緯

    2019

  • 7月

    売主代表が取引先銀行に対象会社株式の譲渡を相談
    ・取引先銀行が、売主のFA(ファイナンシャルアドバイザー)に就任
    ・売主FAがクローズドビッド実施
    ・買主が意向表明書(Letter of Intent)を提出し、複数社の中から優先交渉権を得る

    8月

    売主FAは買手に対するアドバイスができないため、FAの必要性を認めた買主が、買主FAのビューティーコンテストを実施、当社が選任される

    *提案内容
    ・DDについては、当社が選任した専門家(弁護士・会計士)が行う会計・法務DDと買主が行うビジネスDDを、集約のうえ、進捗管理・アドバイスを行っていく
    ・当社は、DD等を踏まえ、SPA(株式譲渡契約)の調整を弁護士のアドバイスのもと行う
    ・報酬は「リテイナー型+成功報酬型」とする(最終判断をする買主とFAの信頼関係がベースとして必要)

    10月

    ・DDによる検出事項を踏まえ、条件変更および追加
    ・最終調整開始

  • 2020

    7月

    ・「売主代表以外の売主への同意取得」と「DD後の(コロナ禍に関係のない)後発事象の発生および その調整」に時間を要している間に、コロナ禍が発生、その影響を見通す必要が生じ、長期間を要することとなる
    ・本件の必要性を売主代表と買主で確認し、最終合意に至る

    8月

    PMI
    売主代表は「取締役社長」として当面の間勤務継続し、買手企業から代表取締役含む役員を派遣。まずは対象会社現状分析の上現状有する経営資源の活用、および買主グループの中でどう位置付け相乗効果を生み出していくか等の検討を直ちに開始し、当社はそこに参画しております。

成約のポイント

一言でいえば、対象企業の状況変化に買主および売主代表が粘り強く対応したこと

が、結果的に成約に至りました。その背景としては、買主(および買主FAの当社)として、売主代表は他の売主との調整を行わなければならない立場を斟酌しつつ、本件成約のためには譲れない条件を守りながら、妥当な着地点を粘り強く模索したことが挙げられます。

換言しますと、以下の点があるとより円滑に成約に至ったとも考えられます

本件では、売主FAが買手探索と入札を行っておりますので、売主FAが自ら最も蓋然性が高いと判断した買主との交渉を行っていると思われます。DDその他のプロセスで検出された事項(DD検出事項)は、いかなる買主候補にとっても評価減につながる話であります。最終的に売主が受け入れたことを考えますと、客観的評価に慣れていない売主(および売主代表)のために、売主FAが論理的にかつ誠意をもって説得にあたることで、両当事者が望んでいた早期決着につなげることができたと思われます。

本件でのDD検出事項は、会計基準に則らない「適正な税務申告」をベースとしていること、また、会社および個人の資産および権利関係の混同に起因するもの等、特別なものではありません。売主FAが一般的な「seller’s DD」を行い、売主に客観的評価を理解してもらっておけば、何らの問題にもなりません。(これらについては、当社が売主FAの場合には当然に行っておることを申し添えます。)

売主は親族のみで親族外株主は存在しないとしても、むしろ、親族のみだからこその微妙な感情が同意に与える影響が想定され、また遠隔地に住んでいるなど物理的な問題もあり、株式(またはその売却意思)のとりまとめは早めに行う、という鉄則を売主FAは遵守すべきです。

対象企業も中堅に近い中小企業であり、キーマンや外部の第三者の同意や交渉が必要な事象が複数存在します。売主としてはそれらを後回しにしたいという感覚は理解できるものの、必要なプロセスであり、課題解決に向けた方法を示す必要があり、売主FAは基本的な課題はクリアしておく必要があります。

そういったことが積み重なって、今回の場合はコロナ禍も相まって、時間の経過に伴い、対象会社の業績すなわち企業価値が下振れすることになりました。買主FAの当社としては買主といつも話していることですが、M&Aにおいては、本来的企業価値より安く買えることには魅力があるが、今回のように企業価値の低下によって安く取得できたとしても何の効用もなく、むしろ、その分PMIにエネルギーが必要となります。

最後に余談として

今回の売主FAは、取引先銀行が就任していました。それが例えばメガバンク等であれば、圧倒的な情報量を有しますので、相手先探しの段階までは有用です。しかしそこから先については、M&A専任部署が担当するものの、各種対応に、当社の行うFA業務との大いなる違いを感じました。とりわけ、上述の「最終調整」期間において、3月末までは、両当事者を置き去りにしてクロージングを急いでいたものが、新年度開始と同時に推進意向が明らかに減衰するなど、「カスタマーファースト」ではなく「組織収益ファースト」があからさまでした。全てがそうだとは申しませんが、担当者の力量や姿勢によるところが大きいことには注意が必要ですね。

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